前回の記事で書いたように、私はオレンジメイクが似合わなかったことをきっかけに美容に興味を持ち始めた。
どうして同じコスメなのに、店員さんにメイクしてもらった時と自分でやった時で仕上がりが違うのだろう。
どうして人気のコスメなのに、私が使うとしっくりこないのだろう。
その理由を知りたくて、
そして私に似合うコスメを見つけたくて、
私は美容について調べ始めた。
そこで何度も目にしたのが、「パーソナルカラー」という言葉だった。
実は、パーソナルカラーという考え方に初めて触れたのは、美容にハマるずっと前のことだった。
10年ほど前、服屋さんで無料診断を受けたことがある。
「秋と冬ではなさそうですね」
「春か夏タイプだと思います」
「パステルカラーが似合いますよ」
そう言われて、淡いラベンダーカラーのトップスを買ったのを覚えている。
でも、その頃の私はイエベやブルベという言葉すら知らなかった。
服屋さんでの診断だったこともあり、メイクに活かせることも知らなかった。
それから何年も経ち、
美容に興味を持ち始めた私は、改めてパーソナルカラーについて調べてみた。
診断サイトをいくつか見つけて、自己診断をしてみる。
結果は圧倒的にブルベ夏だった。
春や冬に当てはまる項目も少しだけあった。
でも秋だけは違った。
秋タイプの特徴として書かれている項目が、驚くほど当てはまらなかった。
オレンジメイク。
黄みの強いブラウン。
ゴールド系のカラー。
私が「なんだか似合わない」と感じていたものばかりだった。
その時、初めて腑に落ちた。
「あぁ、だから似合わなかったのかもしれない。」
もちろん自己診断だから、絶対に正しいとは言えない。
それでも当時の私にとっては、とても大きな発見だった。
自分に似合う色が分かったわけではない。
でも、自分には似合わない色の傾向が見えてきた。
それはコスメ選びをする上で、とても大きなことだった。
そして、自己診断で一番大きかったのは、「似合う色が分かったこと」ではなかった。
むしろ逆だった。
「似合わない色が分かったこと」
だった。
ドンピシャで似合う色を見つけるのは難しい。
でも、似合わない可能性が高い色を知ることはできる。
それまでは、全ての色が選択肢だった。
でも、オレンジや黄みの強いカラーを一旦候補から外せるようになったことで、
コスメ選びはずっと楽になった。
選択肢が半分くらいになった感覚だった。
ところが、新しい疑問も生まれた。
ブルベ夏向けとして紹介されているコスメが、必ずしも全部しっくりくるわけではなかったからだ。
アイシャドウもそう。
リップもそう。
似合うものもある。
でも、ブルベ夏おすすめと言われているのに、どうしてもしっくりこないものもある。
特に淡い色。
ブルベ夏なら得意なはずなのに、私が使うと発色しなかったり、顔がぼんやりして見えたりすることがあった。
「ブルベ夏なのに、なんで?」
新しい疑問が生まれた。
そこから私は、さらに自分に似合う色を探し始めることになる。
特にアイシャドウだ。
SNSで調べたり、口コミを読んだり、気になるコスメをチェックしたり。
気付けば、美容系YouTubeを見る時間もどんどん増えていた。
当時よく見ていたのが、水越みさとさんやありちゃんの動画だった。
ベストコスメ。
新作レビュー。
おすすめの下地とファンデーションの組み合わせ。
乾燥肌向け、脂性肌向け、混合肌向けのベースメイク。
それまでの私は、ファンデーションにも色々な種類や役割があることを知らなかった。
おすすめされているものは、誰にでも良いものだと思っていた。
でも実際は違った。
同じファンデーションでも、組み合わせる下地によって仕上がりが変わる。
肌質によって合うものも違う。
そんな当たり前のことすら知らなかった。
そして動画を見続けるうちに、あることにも気付いた。
アイシャドウやチーク、リップなどのカラーコスメで紹介されている色味が、
私には似合わないことが多そうだということだ。
もちろんコスメ自体は魅力的だった。
お二人ともメイクがとても上手で、その色が本当に素敵に見えた。
「可愛いな」
「こんな色が似合ったらいいな」
そう思うことはたくさんあった。
後から知ったのだが、水越みさとさんもありちゃんもイエベ春タイプだった。
もちろん動画の中でも、自分のパーソナルカラーについて触れながら紹介してくれている。
当時の私は自己診断ではあるものの、自分はブルベ夏なのだろうと思っていた。
だから動画を見ながら、
「このコスメは素敵だけど、たぶん私には似合わないだろうな」
と思うことも少なくなかった。
そして、その頃から少しずつ気付き始めた。
「素敵だなと思う色」と
「自分に似合う色」は、必ずしも同じではない。
商品そのものは参考になる。
でも色味については、自分に置き換えて考える必要がある。
それが私にとって大きな発見だった。
実は、美容にハマる少し前に本屋さんで買った一冊の本がある。
『神コスメ図鑑』だ。
ツヤかマットか。
崩れにくいか。
乾燥しやすいか。
どんな人に向いているか。
まるで図鑑のようにコスメが整理されていて、見ているだけで楽しかった。
その本の著者が、後に私が動画を見るようになった「ありちゃん」だった。
そして、今でも忘れられない肩書きがある。
「毎月の支出の半分をコスメに充てる女」
当時は本気で驚いた。
「そんな人いるんだ。」
「すごい世界だな。」
そう思っていた。
でも約1年後。
気付けば私も同じようなことになっていた。
月によっては支出の半分以上がコスメ。
ボーナスにいたっては、ほとんどコスメに消えていた。
あの頃は完全に他人事だったのに。
人生は本当に分からない。
そして私は、この頃からさらに考えるようになる。
ブルベ夏の中でも、なぜ似合う色と似合わない色があるのだろう。
なぜ同じブルベ夏向けコスメでも、しっくりくるものとそうでないものがあるのだろう。
その答えを探すために、私はさらにコスメ沼へと足を踏み入れていくことになる。
